2021年も無事に終わりました。
お世話になった皆様、ありがとうございました。
2020年の3月からcovid19パンデミックが始まり、歯科業界もその影響をまともに受けました。不要不急の治療の延期、感染対策と材料不足、スタッフの出勤制限、などなど。受診控えや延期のため治療中の症状悪化もあり歯科界全体が対応に苦慮しました。8月頃からちょっと一息、秋からは漸くコロナ禍中での診療に皆も慣れて、何とか1年が終わりました。
2021年からは感染対策は十分に行いながらも診療自体は通常体制に移行し、今年1年はまだまだコロナの影響を受けましたがほぼ通常の診療が出来ました。受診控えされていた患者様も再度通院されるようになり、お陰様で多忙な1年を過ごしました。
持続化給付金、雇用調整助成金、感染対策補助金、マスクやガウンの支給など国や自治体の補助も有り難かったです。その中で痛感したのは、やはり非常事態に対しての備えを普段からしておくことです。金銭的なことだけでなく、消耗材料の備蓄がある程度必要でした。エタノールやマスク、ガウンなど他院と比較すれば確保していた方だとは思いますが、それでも一時的には極端な入手困難になりましたので、確保に苦労しました。それと普段から感染対策をしておけば、こういった事態にも慌てることはありません。
当院では外科診療(手術など)が他院より多くウエイトを占めているため、以前から感染対策にはコストをかけておりました。他院ではあまり備えていないEOG滅菌器(ガス滅菌)とオゾン発生器を備えていたのが助かりました。通常歯科医院ではオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を使用して器械を滅菌しますが、121度まで加熱されるのでマスクやガウン、帽子などは滅菌出来ません。しかしながらEOGだと54度までしか加熱されず蒸気も使わないので、マスクや帽子などの不織布製品も滅菌可能です。また診療中は紫外線消毒された空気を循環させる空気清浄器を使用し、診療後はオゾン発生器にて診療室ごと空間除菌していました。これがコロナ対策にも直結し、エタノールで診療毎に拭掃するのとあわせて、普段通りの感染対策をきちんと実施することがコロナにも有効でした。
感染対策というのはあまり目に見えて効果が実感できるものでなく、きちんとすればする程コストが発生します。そこまで感染対策や消毒滅菌にコストをかける必要あるのか?と以前に周囲から指摘されたこともありましたが、今回のコロナ禍で日頃の対策の重要性が分かりました。幸い当院ではクラスター発生や患者とスタッフ間の感染もなく、スタッフからも感染者は出していません。今後も変異株やあらたなウイルス出現に慌てることなく、日頃実施している事をいつも通りに淡々とこなしていこうと考えています。